マネジメント

「マネージャーを任されたが、わからないことだらけだ」
「個性豊かな部下たちとの接し方に悩んでいる」
「マネジメントを書籍で学びたいが、何を選べばよいかわからない」

上記のような悩みや疑問を持っている人は多くいます。マネジメントには答えがなく、そして苦労が絶えないポジションです。
きちんとしたマネジメントを学んでいないと、リーダーシップを発揮して部下や組織を動かすのは困難です。
これを学ぶ方法の1つに書籍がありますが、マネジメントに関連した書籍はあまりにも多く「何を選べばよいかわからない」という状態になりがちです。

そこで本記事では以下を解説します。

  • マネジメントを学べる本の選び方
  • 特におすすめできるマネジメント本

本記事を読めばポジションや目的にフィットしたマネジメント本を見つけられます。ぜひご参考にしてください。

目次

マネジメント関連書籍の選び方

報告書を見るマネージャー
マネジメント本を選ぶ際は、以下6つの基準に沿って選べば、間違いありません。

  • 基礎中の基礎を学びたいなら「理論本」
  • 実践的なスキルが必要なら「実践・事例から学ぶ本」
  • 組織の動かし方を知りたいなら「リーダーシップの本」
  • それ以外の目的に応じて選ぶ
  • 定番・ロングセラーと呼ばれるものを選ぶ
  • 自分のモチベーションが高まりそうなものを選ぶ

つまり現状のレベルや目的などを中心に考えるのがおすすめです。それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

基礎中の基礎を学びたいなら「理論本」

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マネジメントの基礎中の基礎を学びたいなら「理論本」と呼ばれるタイプがおすすめです。まず「マネジメントが何であるか」というところから学習をスタートできます。
理論、という単語を聞くと、難しく聞こえるかもしれません。しかし「入門」「基本」などと銘打たれた書籍であれば、基本的な考え方やロジックを順序よく学ぶことが可能です。
文章で理解するのが難しそうなら、漫画や使いが用いられたものを学ぶのがおすすめです。
理論を理解しているだけでも、今までとは違うマネジメントを実施できるようになります。

またピーター・ドラッカーに関連した書籍を読むのもおすすめです。彼はオーストリアの経営学者で、現在のマネジメントの基礎を築いた著作家として知られています。
彼が活躍したのはずいぶん前の話ですが、考え出された理論やフレームワークは、現代でも主流のやり方として知られています。
だからこそドラッカーの本を読むのは重要です。

実践的なスキルが必要なら「実践・事例から学ぶ本」

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理論ではなく、実践的なスキルが必要なら、「実践や事例から学ぶ本」を読んでみるのがおすすめです。
このタイプの書籍には、実際に合った事例をモデルに、本来あるべきマネジメントを解説するものです。

たとえば「統率が取れていなかった営業チームをどのようにまとめたか」といったエピソードから、再現できるスキルを見出します。一方で手痛い失敗を事例として取り上げ、同じ過ちを繰り返さないように警鐘を鳴らす書籍もあります。
実践や事例から学ぶことのメリットは、理論本と違って即効性が高いこと。もちろん理論を知るのは重要ですが、そこから現場でのアクションに結びつけるまでには相当な時間がかかります。
しかし自身が置かれている状況に近い事例を知れば、すぐに学習内容を実践することが可能です。
理論を知っている、いますぐにソリューションしたいと考えているなら、実践や事例から学べるマネジメント本を選びましょう。

組織の動かし方を知りたいなら「リーダーシップの本」

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マネジメント本を求める人の多くは、組織もしくは部下の動かし方、あるいは接し方についてヒントを求めています。そうするとマネジメントの中でも、とりわけリーダーシップをテーマとする書籍がおすすめです。
マネージャーや管理職として組織や人(あるいは金)を動かすうえでいい加減な判断は許されません。たしかなロジックに基づいた指示や判断が求められます。

多くの人は、リーダーシップについて深く学ぶ機会にそもそも巡り会えません。しかしこれは書籍を読むことで、ある程度補える範囲です。
リーダーシップの取り方を理解すれば、明確なビジョンが明らかになり、チームを適切にまとめられるようになります。部下とのコミュニケーションもうまく取れるようになり、信頼関係を築くことが可能なのです。
さらにはチーム内の人間関係やパワーバランスまで配慮し、まさに真の意味でのマネジメントを実践できます。
マネジメントにおいてリーダーシップは欠かすことのできない要素です。ぜひリーダーシップ本で、正しいリーダーとしてのあり方を追求しましょう。

目的に応じて選ぶ

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目的に応じてマネジメント本を選ぶのも、ひとつの定石です。

  • 部下のモチベーションを高めたい⇒コーチングの本
  • 目標達成のために組織や人を動かしていきたい⇒目標管理やKPI・KGIに関する本
  • 自身をコントロールしたい⇒セルフケアやアンガーマネジメントに関する本
  • 女性マネージャーとして必要なことを知りたい⇒女性リーダーに関する本
  • 求心力を高めたい⇒人格やコミュニケーションに関する本
  • チーム全体で良質な会議を実施したい⇒ファシリテーションに関する本

マネジメント本は数限りなく存在しますが、いずれも何かしらの目標を達成、あるいは課題を解消するために書かれています。自身の場合の目標や課題に沿った書籍を選ぶのがおすすめです。
まったく関係のない書籍を購入する失敗には注意してください。たとえばリーダーシップを学びたいのに、コーチングの本を購入しては学習効率は下がります。
もちろん一部は内容が重複していますが、関係がない部分については興味を持ちづらく、無駄な読書時間になりかねません。

定番・ロングセラーと呼ばれるものを選ぶ

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自身の理解度や目的を軸に置きつつも、定番・ロングセラーと呼ばれるものを選ぶのもおすすめです。どうしても何を買えばよいかわからないときは、この基準が役立ちます。
定番・ロングセラーと呼ばれる書籍は、何も「流行りに乗っているだけ」ではありません。それだけ理論や主張に正当性があって、かつ効果があるから長きにわたって愛されているのです。
”洋服を買うときは有名ブランドから購入する”ような感覚で、ひとまず定番・ロングセラーと呼ばれる書籍を買ってみましょう。
ただしさほど読者から信用されていないのに、さもロングセラーと見せかけている書籍も少なくありません。また有名タレントの名前だけを借りて、実のところ中身は大したことがない、というケースもあります。
定番・ロングセラーの書籍を購入する場合、最低限、著者がどのような人物であるか理解しておくことが大切です。

自分のモチベーションが高まりそうなものを選ぶ

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自分のモチベーションが高まりそうなものを選ぶのもおすすめです。学習効率によい影響を与えるからです。

いかにすぐれた書籍でも、読み手の情熱がなければ内容は頭に入ってきません。後ほど解説する「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」は、日本でもっとも優秀なマネジメント本のひとつです。
しかし本人がアンガーマネジメントやコミュニケーションの取り方について知りたいなら、さほど内容は響きません。
書店に行ったとき、「この本は、自分を高めてくれそうだ」と感じられる書籍がたいてい1冊か2冊は見つかります。そうすると読破する、あるいはそれを吸収して実践に活かすまでのモチベーションが得られます。
これなら読書の時間を無駄にせず、効率的にマネジメントを理解することが可能です。自分自身の感情の動きにも注目して、マネジメント本を選ぶのもひとつの方法です。

おすすめのマネジメント研修

マネジメント研修

マネジメントは、必要な人材を育て、パフォーマンスを最大限に発揮できるように体制を整え実践するスキルです。社員の特性を生かした配置、能力と仕事に見合った報酬体制、必要な知識やスキル取得のサポートが行えるリーダーを育成する研修です。


【書評付き】マネジメントを学べるおすすめの本27選

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マネジメントを学ぶうえで手っ取り早いのは、やはり読書です。しかし同ジャンルの書籍は多数存在し、選び方を踏まえてもまだ迷ってしまうことがあります。そこで今回、読破したマネジメント本の中から特におすすめできるものを27本紹介します。
また、マネジメント学習に対するさまざまなニーズがあることを踏まえ、以下のようにジャンル分けしました。

  • 基礎
  • 目標管理
  • 教育・コミュニケーション
  • 自己成長・管理
  • ファシリテーション
  • リーダーシップ
  • 女性向け

自身で必要となるジャンルから、マネジメント本を探してみましょう。

基礎的なマネジメントを学べるマネジメント本11選

まずは基礎的なマネジメントを学べる営業本を11選紹介します。やはりドラッカー氏の書籍か、それを解説したものが人気です。
そのほかにも初歩者にもわかりやすく解説している書籍が揃っています。

マネジメント[エッセンシャル版] 基本と原則|ピーター・F・ドラッカー

エッセンシャル版のマネジメント・基本の原則は、マネジメントの父とうたわれるドラッカー氏の著書を要約した書籍です。
彼が長年の研究によって培った理論を事細かに解説されていました。マネジメントの基礎を学ぶうえではうってつけの一冊です。
エッセンシャル版ということで読みやすく仕上がっており、誰でもすんなりと理解できる難易度です。またやや分厚い原書を読むよりも、スピーディーにマネジメントの根幹を理解できるのもポイントです。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT|アンドリュー・S・グローブ,小林 薫

インテルのCEOと活躍したアンディ・グローブによる書籍です。世界最高峰の企業を率いた経験から、マネジメントのあり方を事細かに解説しています。
グローブ氏が重要視するのは、部下の教育を進め、モチベーションを維持させること。これを正しく実践すればチーム全体のパフォーマンスが向上し、ひいては売り上げの上昇つながると熱弁する内容でした。
またどちらかといえばマネジメントの基礎に着目しており、新人のマネージャーにとってはかなり有力な教材となり得ます。
また同書はマネジメントの父、ドラッカー氏からも高い評価を受けています。

徹底的にかみくだいたドラッカーの「マネジメント」「トップマネジメント」|二瓶 正之

ピーター・ドラッカーの「マネジメント」と「トップマネジメント」の解説本に位置付けられる書籍です。
著者の二瓶正之は47年にわたってドラッカーの著書を研究。内容も「マネジメント」と「トップマネジメント」を徹底的にわかりやすく解説していました。特に「マネージャーに求められる8つの行動習慣」といった部分は、マネジメントを学びたい人々にとって参考となる、あるいは心に響くものがあります。
もしピーター・ドラッカーの原書を読んでも理解がむずかしい場合は、同書籍から読めばスムーズにインプットできます。

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則|ジム・コリンズ,山岡 洋一

「グッドはグレートの敵である」という名台詞で知られる、ジム・コリンズの著作です。
第1章から興味深い内容で、リーダーシップを5つの水準に分けて解説。有能な個人から偉大な経営者に至るまでの要素を明らかにし、また各ステップで何が求められているかを解説します。
コリンズ氏は最高水準として「偉大な経営者」を設定し、これは「謙虚さと意志の強さの二面性を持ち合わせている人物」を示すとのこと。これを理解するだけでも、マネジメントにおいて大きなヒントを得られそうです。
また「ストックデールの逆説」や「ハリネズミの概念」など、独自の理論についても解説。他の書籍ではあり得ない角度から、リーダーシップとマネジメントを学べます。

無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論|海老原 嗣生,守島 基博(解説)

マネジメントの基礎的な考え方や知識を、細かく洗い直したオーソドックスな書籍です。いかにしてチームや部下を鼓舞し、そして管理していくのか、詳細に語られています。
「コア・コンピタンス」など新しい理論や概念にも触れており、一歩進んだマネジメントを学ぶことが可能。
著者の海老原嗣生は、リクルート人材センターで活躍した人物です。本書は、そのなかで得られた経験から裏付けられたマネジメントの基礎理論を学べる、貴重な書籍だと言えます。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら|岩崎 夏海

マネジメントに関連づいた書籍の中ではもっとも人気が高い一冊。
ピーター・ドラッカー不朽の名著「マネジメント」を、高校野球小説という馴染みやすい題材に落とし込んでいます。
ストーリー上では、女子マネージャーの川島みなみがドラッガーの教えを実践。マーケティングや目標管理などのノウハウを実践してチームをまとめ上げるさまを描いています。
ドラッガーの示す理論やノウハウがどのような影響を及ぼすのか理解しやすいのが本書のメリットだと感じられました。
ただしこれだけでは、少々理解が浅くなるかもしれません、本書を読んだあとは、また別なドラッカーの解説本を読むと、バランスよく理解できます。

行動分析学マネジメント: 人と組織を変える方法論|舞田 竜宣,杉山 尚子

マネジメントとかかわりが深い行動分析学を主軸とした書籍。学術的なバックグラウンドがあるマネジメントノウハウと技術について学べる、信頼性の高い一冊です。
基本的な主張は、上司は「指示と確認、フィードバックを組み合わせるべき」という点です。これで的確に部下を動かしつつ、また本人にも考える機会を創出するべきだと語ります。
また褒める・叱るといったアクション、伸び悩みや失敗に対する対処法も解説。そのすべてが行動分析学に基づいており、安心して実践できます。
また行動分析学を主題とした書籍は他にも数多く出版しているので、学問として修めるような感覚で集中的に学ぶのもおすすめです。

短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント|石田 淳

本書は心理学によって裏付けられた、人間の行動分析を活かした書籍です。「行動分析が何を示すのか」という点からスタートし、またそれが有効な理由と、実際の活用方法を解説しています。
本書のすぐれた点は、膨大なデータによって施策が有効であるのが証明されていること。精神論や体験談ベースでのみ語られている書籍と比較して、信頼性が高いのが特徴です。
行動分析自体はやや難解な概念ですが、その点もできるだけ噛み砕いて解説されています。活字慣れしていない人でも、問題なく読破できるレベルです。

プロフェッショナルマネジャー|ハロルド・ジェニーン

本書は経営・マネジメントの原理原則を徹底して深掘りした書籍です。原理原則を理解して忠実に実行すればプロフェッショナルレベルのマネジメントを実現できると熱弁しています。
一言で言えば「チームのために全力を尽くせ」というのが本書のメッセージでした。至極当然のことですが、それを思い出させてくれるという意味でも良書です。
また自己啓発書やマネジメント本を読んだだけの理論武装では通用しない、ということも述べています。耳が痛いながらも、現場で悪戦苦闘しながらマネジメントを学んでいくことの大切を再確認できます。

How Google Works: 私たちの働き方とマネジメント|エリック シュミット,土方 奈美

Google社でCEOとして活躍したエリック・シュミットの著書。現代の情勢やトレンドを踏まえたうえで、どのようにマネジメントを実施するべきか解説しています。
エリック・シュミット氏は同著内で人材評価のあり方やコミュニケーションの取り方について、googleらしい洗練されたアンサーを残しています。このあたりはやや難解ではありますが、理解して実践できた場合のリターンは大きいものです。
また意思決定や市場戦略など、より高次のマネジメントについて解説しているセクションも。

1枚のシートで業績アップ! 営業プロセス“見える化"マネジメント|山田 和裕

本書は特に営業部門のマネジメントを意識した書籍。著者の考案した「3次元プロセス分析」で業務の流れを可視化する、というのが本書のテーマです。
営業マネジメントにおいてプロセスをどれだけ明確にできるかは重要です。大切な部分がブラックボックス化していては、本来の学びや情報が失われます。
同書はプロセスの透明化してパフォーマンスを確認、そのうえで新しいヒントを見つけるうえでたいへん役立つ書籍です。
現状をよりクリアに理解し、PDCAサイクルを回すうえで大きな手助けとなります。

目標管理を学べるマネジメント本4選

マネジメントにおいて目標管理は重要です。それを学ぶためだけの書籍も多数存在します。特に以下4選はロングセラーとして広く知られています。

最短最速で目標を達成するOKRマネジメント入門 |天野 勝

OKRマネジメントにおいてもっとも信頼されている書籍のひとつです。OKRは、目標管理を実施する際に活用されるフレームワーク。インテルで開発され、GoogleやMeta(旧Facebook)でも注目されています。
本編ではOKRマネジメントの基本から始め方まで詳しく解説。またチーム全体でOKRをどのように活用するか、実践方法が解説されていました。
OKRマネジメントの理解から運用開始までは、本書籍だけでじゅうぶんにカバーすることが可能です。ただしより発展的な運用は、別の書籍で学習して補う必要があります。
あくまでも入門版といった位置づけです。

ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか|ケン・ブランチャード,ジェシー・ストーナー,田辺 希久子

マネジメントにおける「ビジョン」を中心として解説する書籍です。本書における「ビジョン」とは目的・未来へのイメージ・明確な価値観が合わさったものと定義されています。
これがなぜ重要なのか、そして達成するには何が必要なのか詳しく解説。
もちろん個人だけではなく、チームや企業のビジョン達成にも役立てられる内容です。
本書はフィクションの形式を取っており、専業主婦だったエリーが保険会社で働き始めるなかでビジョンを学ぶ、という内容でした。感情移入しやすく、小説を読むイメージでビジョンを理解できます。

個人、チーム、組織を伸ばす 目標管理の教科書|五十嵐 英憲

ドラッカーの教えと思想を基本としたマネジメント本。誤解されがちな彼の主張を正しくわかりやすく解説しています。
目標を管理するのと、部下にモチベーションを持たせるのはマネジメント上で課題となりがち。その部分について的確なアドバイスが語られています。
著者の五十嵐英憲は「育成のゴッドハンド」と呼ばれるほど、教育に秀でた人物です。教育コンサルタントとして長年活動しており、彼の一文には説得力があります。

Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR|ジョン・ドーア

Googleに対してOKRをレクチャーしたジョン・ドーアによる書籍です。OKRとは「Objectives(目標)」と主要となる中間結果(Key Results)を組み合わせた略語。つまり最終的な目標と、その達成度を計測し続けることです。
この方法はGoogleやインテルの会社としての成長を支え、また他の多くの企業においても基本中の基本として知られています。
マネジメントという業務の中には目標達成とそこまでの管理も含まれます、それをもっとも効率的に学べるのが同書です。
ちなみに著者のジョン・ドーアはOKRの生みの親。彼の直接的な意見を本書で追いかけることには大きな学びを得られます。

マネージャー自身の自己成長を促すマネジメント本3選

マネジメントでは、マネージャー自身を成長させるのも重要です。そのうえで以下3冊をおすすめします。

人を動かす |D・カーネギー

マネジメントを学ぶなら、D・カーネギーの「人を動かす」はかならず読んでおきましょう。チームや個人との向き合い方に関する、そのすべてが記載されているといっても過言ではありません。
本書には「人を動かす原則」として、3つのルールを掲げています。また「人に好かれる」「人を説得する」「人を変える」など、マネジメントには必要不可欠なスキルについて、わかりやすい原則を解説していました。
しかもそれぞれに根拠があって、数多くいる読者も大半が「そのとおりだ」という書評を寄せています。
原則をひとつでもマスターできれば、それだけでマネジメントが変わっていきます。
なおこちらは文庫版なので、通勤時などの持ち運びにも便利です。

完訳 7つの習慣 人格主義の回復|スティーブン・R.コヴィー

今や自己啓発本としてもっとも有名になった、スティーブン・R・コビーの「7つの習慣」。これは「積極的に周囲と自分を幸せに、そして豊かにすることを目指す」ためのメソッドが書かれているものです。
タイトルどおり7つの習慣が解説されていますが、いずれもマネジメントにおいて応用できます。同書内容を正しく実践できれば、チーム全体で良好な関係を保ちつつ、そして高い目標が達成できる、理想的なマネジメントが実現できます。
ただし、やや難解な書籍ではありました。理解するまでに相当な時間がかかります。何度も読み返して理解し、少しずつマネジメントへ落とし込んでいく根気のよさと応用力が求められます。

マンガでやさしくわかるアンガーマネジメント|戸田 久実

アンガーマネジメントに関連した研修や講義で活躍する戸田久実氏。同氏が著した「マンガでやさしくわかるアンガーマネジメント」は、怒りを制御するためのハウツー本としてもっとも高い信頼を集める一冊です。
理屈ではわかっていても体現するのがむずかしいアンガーマネジメントを、実践しやすいように漫画形式で解説しています。いつ、どのようなタイミングで怒りが湧いてくるのか、そしてそれに対して、どのように対処すべきなのかを感覚的に理解できます。
マネジメントは、部下や組織だけでなく自身の感情も制御してこそです。ぜひアンガーマネジメントを学び、安定感のあるマネージャー像を実現しましょう。

教育・コミュニケーションの方法を学べるマネジメント本5選

マネジメントでつまずきやすい部下・メンバーの教育とコミュニケーションの取り方。この点を学べる書籍を6選紹介します。

伝え方が9割|佐々木 圭一

「伝え方が9割」は、とりわけコミュニケーションに主眼を置いた一冊です。世界で256万部売れたベストセラーで、多くのマネジメントシーンで参考されています。
いかにして部下とコミュニケーションを取り、自分の思いを伝えればよいのか、理論から実践的なテクニックまで幅広く解説。またいずれも実施しやすく、明日から活かせるような内容が揃っているのもポイントです。
著者の佐々木圭一は一流のコピーライターとして活躍しており、言葉の力や伝え方の達人とも言える人物です。すぐに彼ほどのレベルにはなれないにしても、その考え方やテクニックについて知っておいて損はありません。

コーチング・マネジメント―人と組織のハイパフォーマンスをつくる (コーチ・エィ監修コーチングシリーズ)|伊藤 守

マネジメントにおいて必要不可欠なコーチングを深掘りした一冊。コーチングの重要性から具体的な技術まで幅広く解説しています。
これ一冊で最低限のことはできるほど内容が充実。マネジメントでは部下との対話やモチベーション維持が課題となりますが、コーチングスキルがあれば有利に立ち回れます。
コーチ・エィ監修のシリーズは人気が高く、あらゆるビジネスパーソンから頼りにされています。同書を読んで学びを感じられたら、他の書籍も試してみるのもおすすめ。

自分の頭で考えて動く部下の育て方 上司1年生の教科書|篠原 信

マネジメントの中でも部下の教育にフォーカスした書籍です。自身が従える部下を「指示待ち」の状態から能動的にアクションできるように導くことを目標としています。
そうすることで組織が適切に機能するような状態を目指します。
マネジメントにおいて部下をどう育てていくかは非常にむずかしいテーマです。実際に「何かを指示しなければ動いてくれない」と悩んでいる人も多くいます。
本書ではその問題を解決するため、相手の個性や気質、能力にフィットした育成方法を具体的に解説しています。
また三国志の史実に基づき、あるべき育成方法をわかりやすく解説しているのもポイント。キャッチーかつ中身の深い書籍です。

3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術|伊藤守

始業前の、3分間のコーチングを奨励する書籍です。この手法で部下のモチベーションやパフォーマンスを高められると主張しています。
コーチングでは気付きと熟考を経て行動選択し、それを実践するのを目標としています。わずか3分間ですが、それだけでも部下と自身にとって重要な時間となる理由が、理路整然と解説されていました。
ただしこのコーチングには細かいポイントが多数存在します。実際に書籍を手に取り、より意味のある3分間を過ごせるようにアクションしてみましょう。

xDrive 質問でPDCAは加速する|萩野純子

ビジネスではよく話題に上がる「質問」というテーマですが、その点を学びたいなら本書が役立ちます。
200社以上で活用されている「質問PDCA xDrive」を用いて、チーム力の底上げと売り上げの向上を狙います。
基本の主張としては、マネージャーは「指示を出すのではなく質問するべき」ということ。これによってPDCAサイクルが従来よりも早く回すのが著者である荻野純子氏のやり方です。
難しいテーマではありますが、平易な言葉で書かれているので、比較的理解しやすい一冊です。

リーダーシップを学べるマネジメント本2選

マネジメントを用いてチームをまとめるにはリーダーシップも求められます。これも以下の書籍で相当深い知見を得ることが可能。

最高のリーダーは何もしない 内向型人間が最強のチームをつくる!|藤沢 久美

日本屈指のシンクタンク、ソフィアバンクに参加する藤沢久美氏の書籍です。「最高のリーダーは何もしない」という思い切ったテーマを掲げています。
1,000人以上の経営者にインタビューをおこなった結果、マネジメントリーダーはかならずしも「ボス猿」ではないとのこと。
それよりもむしろ、内向型で真面目な人物のほうが、マネジメントスキルを発揮しやすい、という趣旨で書かれています。
珍しい方向からマネジメントに向き合っており、他の書籍にはない学びが期待できます。

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと|マーカス バッキンガム

あの「ストレングス・ファインダー2.0」で知られるマーカス・バッキンガム氏が執筆したマネジメント本です。
本書では「組織の成功には、部下の素質や才能を開花させる必要がある」と語ります。そのために必要な大人分析や、具体的な成長の手助けを解説。
また事例を活用して「マネージャーとしてやってはいけないこと」にも触れています。
主張がシンプルかつ文章自体も易しいので、マネジメント初心者でもスムーズに読み込めます。バッキンガム氏の高名と裏腹にわかりやすい書籍です。

女性リーダー向けマネジメント本2選

数は少ないですが、女性リーダー向けの書籍もあります。
特に以下2冊は内容が充実しており、読破したのち手元に置いておきたいところです。

女性リーダーのための! 感情マネジメントスキル |折戸 裕子

女性リーダーそれも感情のコントロールに着目した珍しいマネジメント本。女性だからこその怒り・悩みといった気持ちをどのようにして制御するのかを解説しています。
具体性の高いトラブル事例をいくつも用意しているのがポイントで、同じような場面に出会ったとき、より正確に対処することが可能です。
女性リーダーをアサインしたときには、ぜひ読ませたいところ。もちろん自身が女性リーダーの立場に立たされた人が自主的に学ぶ書籍としてもおすすめです。

管理職のための女性リーダーを育てる本|前田 典子

女性リーダーの育成にフォーカスした貴重なマネジメント本。男性と違う部分や、女性ならではの強みを伸ばす方針について解説しています。
女性リーダーを育成するうえではさまざまな課題や疑問にぶつかります。それらを解決して、本人との信頼関係を築くことが可能。
また女性リーダー自身も部下をうまくマネジメントできるようになるヒントが得られます。
女性リーダー育成をテーマにした書籍は、決して数が多くないので、確実に読んでおきたいところです。

先人たちの経験からマネジメントを学ぶ

部下指導を行うマネージャー
本記事ではマネジメントのおすすめ本を解説しました。組織であれチームであれ、メンバーを統率したり目標管理したり、あるいは教育やコミュニケーションのあり方を研究することは重要です。
これらの課題は非常にむずかしいもので、また明確な答えがありません。状況や人によって、求められるタスクも変化し、ケースバイケースで考える必要があります。
そんな中、少しでも先人たちの経験からマネジメントを学ぶのは重要です。知識や前例を知っておけば、「この状況では、このやり方がよさそうだ」などと、アクションに予測がつけられます。ぜひ本記事で紹介した書籍で、マネジメントの基礎から応用まで読み込んでいきましょう。

おすすめのマネジメント研修

マネジメント研修

マネジメントは、必要な人材を育て、パフォーマンスを最大限に発揮できるように体制を整え実践するスキルです。社員の特性を生かした配置、能力と仕事に見合った報酬体制、必要な知識やスキル取得のサポートが行えるリーダーを育成する研修です。


マネジメント関連のおすすめ書籍一覧

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