研修の目標設定の方法は?目標の例や目的との違いを解説

「研修を実施する際の目標の例は?」「研修の目標設定の方法を知りたい」このようなお悩みを抱えている方も多いかもしれません。

適切な研修目標を設定できれば、研修の効果もアップし受講社員のパフォーマンス向上につながります。

そこでこの記事では、研修目標の設定方法や具体例などを紹介します。研修目標の設定に苦労している方は、ぜひ参考にしてみてください。

キーセッションでは、ニーズや予算に合った貴社にピッタリな研修をご提案可能です。研修目標の設定から対応もできるので、研修がうまくいかずお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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研修における目標とは?

研修における目標とは、研修を受ける人が習得すべき知識やスキル、または態度や価値観など、目的に応じた到達度合いを測る指標のことを指します。

ここでは、以下の観点で研修の目標とは何かについて解説します。

  • 研修における目標は到達度合いを測るための指標
  • 研修の目標と目的、ゴールの違い

研修における目標は到達度合いを測るための指標

研修における目標とは、研修目的を達成するために必要な具体的な行動や、到達度合いを測るための指標です。具体的な目標を設定することで、受講者がどのような行動を取るべきか、どのような状態にあるべきかが明確化します。

たとえば、営業スキルの底上げを目的とする研修であれば、以下のように具体的な目標を設定すると効果的です。

  • クロージングのための会話を 3パターン身につける
  • 提案資料のテンプレートを作成する

目標が明確に設定され、研修の内容や方法がそれに沿って設計されれば、受講者がより効果的にスキルを習得できます。

研修の目標と目的、ゴールの違い

研修における目的・目標・ゴールの意味には、それぞれ違いがあります。

研修の目的とは、研修を通して実務で活かすスキルを獲得することを指します。つまり、受講者が研修を受けることで得られるべき成果やスキルを明確にすることが目的です。

一方目標とは、目的を達成するために必要な具体的な行動や状態のことを指します。目標は、目的をより具体的な形で表現し、実現するために必要な具体的なステップを明確にすることです。

また、ゴールとは、目的や目標に到達することを指します。研修を受けた受講者が、目的や目標を達成することで、最終的なゴールに到達します。

研修を成功させるためには、目的、目標、ゴールを明確にし、受講者が研修に参加する意義を理解しやすいように伝えることが大切です。また、目標やゴールを設定することで、受講者がモチベーションを高め、成果を出しやすい環境を作れます。

研修で目標設定するのは何のため?

研修で目標設定する理由は主に以下の3つです。

  • 目的を意識する習慣づけのため
  • 受講者のスキルアップのため
  • 組織の成長のため

ここでは研修で目標設定する重要性をそれぞれ詳細に解説します。

目的を意識する習慣づけのため

目的を意識する習慣づけのために、研修で目標を設定します。日々の業務で成果を出すためには、具体的な目標を設定し、達成に向けたアクションプランを立てる意識が欠かせません。

目的意識を持って業務に取り組めるようになれば、パフォーマンスの向上も可能です。研修を通じて目的を意識した目標設定ができるようになれば、日々の業務でもスキルを活かしやすくなります。

受講者のスキルアップのため

研修を受ける受講者のスキルアップも重要な目的です。目標設定することで、受講者の研修に取り組む姿勢によい影響がもたらされます。目標と現状の乖離認識が、対処法を考える際にも役立つと理解しておきましょう。

具体的な目標を立て、達成に向けたアクションプランを考えることで、研修の成果を最大化できます。

組織の成長のため

研修目標の達成は、最終的に組織の成長へつながります。研修で受講者のスキルが伸びるにつれて、業績も向上し、自社ビジネスも成長していくためです。

ポイントは組織の目的・目標とリンクした研修の目標設計にあります。企業が目指す目的・目標から逆算しつつ、関連性の深い研修目標を設定しましょう。

研修目標の設定で意識するポイントは?「SMARTの法則」を紹介

研修目標を設定する上では、「SMARTの法則」を意識しましょう。SMARTとは、以下の5つのポイントの頭文字のことです。

  • S(Specific:具体的である)
  • M(Measurable:測定可能である)
  • A(Achievable:達成可能である)
  • R(Related:関連性がある)
  • T(Time-bound:期限がある)

ここでは研修目標設定に意識すべきポイントを「SMARTの法則」に沿って紹介します。

S(Specific:具体的である)

研修目標の設定の際には、具体的な目標設定を心がけましょう。研修目標が具体的であるほど、取り組むべき内容が明確化します。具体的に設定された目標は、アクションプランを考える際にも役立つためです。

例:「社内コミュニケーション能力を向上させるために、営業部門でのプレゼンテーションスキルを習得する」

研修の目的や内容が明確であれば、受講者がどのような成果を得られるか明確にできます。

M(Measurable:測定可能である)

研修で目標を設定する際には、測定可能なものを設定することも大切です。研修においては、どの程度目標を達成できたか測定し、評価することが大切です。研修目標が明確であれば、客観的な評価ができます。

例:「プレゼンテーションスキルを向上させるために、受講者全員が研修終了後に社内プレゼン大会に参加し、成果を発表する」

適切な目標を設定し、成果をスコアリングすることで受講者のスキルアップ度合いの把握が可能です。

A(Achievable:達成可能である)

研修の目標は現実的で達成可能なレベルに設定します。達成困難な目標を設定してしまうと、受講者のモチベーションを下げる原因につながるためです。

実際に達成可能な目標を設定することで、受講者は自信を持って研修に臨めます。達成可能なタスクに落とし込んで作業を進める習慣が身につけば、業務でも応用が可能です。

R(Related:関連性がある)

研修目標は、会社のビジョンや計画に関連したものであることが重要です。自社のビジネスに関係している研修目標であれば、習得したいスキル・ノウハウに加えて、副次的なメリットも期待できます。

たとえば営業スキルの習得が主な目標であれば、副次的な効果は資料作成・OAスキルの習得です。研修目標が会社のビジネスに関連するものであれば、身につけた内容を業務に活用できます。

T(Time-bound:期限がある)

目標に期間を設定することで、具体的な行動につながります。目標を達成するために効率的に作業を進める必要があり、行動計画を立てられるためです。

また研修スケジュールが明確であるほど、目標管理や分析、検証の容易化が可能です。期限を設けることで、達成度の管理もしやすくなり、成果の判断にも役立ちます。

研修の目標を設定する際の注意点

研修の目標を設定する際の注意点は以下の3つです。

  • 実務に直結する目標を設定する
  • 新入社員と中途社員で目標を分ける
  • 研修中に受講者同士で目標を共有する

ここでは研修の目標を設定する際の3つの注意点について、それぞれ解説します。

実務に直結する目標を設定する

研修の目標を設定する際には、実務で使える知識やスキルが身につくように目標を設定するのが大切です。実務に直結した目標を設定することで、研修を通して学んだスキルや知識を業務に活かしやすくなるためです。

具体的には、研修で学ぶことが、業務でどのように役立てられるかを考える必要があります。

たとえば営業研修であれば、営業活動において必要なスキルや知識、具体的な営業手法を学ぶことが目標です。コミュニケーション研修であれば、コミュニケーションスキルの向上を目標にすることが考えられます。

また、実務に直結した目標を設定することで、受講者のモチベーションが向上し、研修の効果の最大化が期待できるという効果も期待できます。

新入社員と中途社員で目標を分ける

新入社員と中途社員では、目標を分ける必要があります。それぞれ企業の中で求められるスキルや成果が異なるためです。

新入社員は、まだビジネスの世界に慣れていないため、基本的なビジネススキルやマナーの習得が必要です。研修目標としては、ビジネススキルの向上や社内マナーの定着など基礎的なスキルの習得があげられます。

一方で中途社員は、現在の知識やスキルを伸ばすことが主な目的です。すでに業務経験があることを考慮し、よりレベルの高い人材を目指す必要があります。

たとえば営業職の中途社員であれば、新しい営業手法やコミュニケーションスキルの習得などを目標にするのがおすすめです。中途社員にとっては、自分の弱点や不足しているスキルを補うための研修が求められます。

新入社員と中途社員で目標を分けることで、立場に合わせた研修を実施できます。より効果的な研修を行う上でも非常に重要です。

研修中に受講者同士で目標を共有する

研修中は、受講者同士で目標を共有するのがおすすめです。研修受講者が自らの目標を共有することで目標にコミットする意識が高まり、研修効果アップが実現します。

受講者同士の刺激にもつながり、達成に向けたモチベーション維持にも役立つのが特徴です。

また共有する目標は、個人の成長だけでなく、チームの目標や企業の目標に関連させるのがおすすめです。

受講者同士で目標達成を目指せる環境を作り出すことが、研修の成果を最大化する重要な要素といえます。

研修における具体的な目標例

研修における具体的な目標例は、実施する研修によって異なります。

ここでは以下の研修における具体的な目標例を紹介します。

  • 新入社員研修の目標例
  • ビジネスマナー研修の目標例
  • コンプライアンス研修の目標例
  • 営業研修の目標例
  • マネジメント研修の目標例

新入社員研修の目標例

新入社員の場合は「毎日業務内容を上司に報告する」「一日の終わりに業務報告書をまとめる」などがおすすめです。

ビジネスの基本や経営理念・報連相スキル、社会人としての心得などの定着を目指します。ビジネス基礎に関する目標を設定することで、その後の業務やキャリア形成がスムーズになるためです。

ビジネスマナー研修の目標例

ビジネスマナー研修の目標例には「一日一回電話に出る」「挨拶を欠かさない」などがあげられます。

名刺交換や電話応対、挨拶などのビジネスマナーを中心に学びます。新入社員が主な対象になる一方、社会経験のある中途社員や管理職人材にも受講させましょう。ビジネスマナーの徹底により、企業の印象を向上させる効果があるためです。

コンプライアンス研修の目標例

コンプライアンス研修の目標例は「月1度情報共有会を開催する」「学習事項を整理して社内にノウハウ提供する」などです。

研修で法令順守や就業規則・各種ルールを身につければ、安全な取引が実現し、企業の信用度向上が実現します

コンプライアンス研修では取引先との個別ルールやSNSの正しい利用方法なども含むのが特徴です。研修でコンプライアンス意識を身につけておくと、知らないうちに違反するリスクも抑えられます。

営業研修の目標例

営業研修における目標例は「営業力の向上」「お客様との良好な関係構築」などです。行動やタスク単位で細分化し、アポイント取得・セールストーク・クロージングなどのスキル習得を目標にします。

具体的な目標を受講者の課題ごとに目標を設定することが重要です。

マネジメント研修の目標例

マネジメント研修では、部下のマネジメント方法、目標管理、部下育成などをテーマに目標を設定します。

具体的には「部下の強み・弱みの共有」「強みを活かした成功事例を毎月確認する」などの目標が考えられます。目標管理は部下のモチベーションアップにつながります。部下の目標を明確化し、達成度合いを月次で確認しましょう。

企業の成長には、マネジメントに長けた人材の育成が不可欠です。自社の現状と管理職人材のスキルを整理したうえで、目標設定する意識が欠かせません。

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研修の目標設定に関するまとめ

研修における目標設定の目的は、企業が抱える課題解決や、スキルアップやコミュニケーション能力の向上などです。目標設定の精度が高いほど、研修に参加する人々がいっそう学びやすい環境を作れます。

研修の目標を設定する理由は、企業が抱える問題や悩みを解決するためです。研修に参加する人々の自己成長を実現できる他、企業の生産性向上にもつながります。

研修の目標を設定するポイントは、企業の課題・目的の明確な把握や研修内容・期間・参加者などを適切に設定することです。目標を設定することで、研修の成果を正確な評価につなげ、今後の施策にも活用できます。

自社の課題や問題を解決するため、研修会社へ依頼する方法もあります。外部研修を取り入れることで他社の取り組みや視点を学べるのが大きなメリットです。新たなアイデアを取り入れ、業務の改善につなげる上でも役立ちます。

キーセッションでは、目的別に研修プログラムを用意しています。自社が抱える課題に合わせた研修プログラムの提供が可能です。研修会社のプロの知識や経験を活用して、より実践的でかつ効果的な研修を実現しましょう。

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