人材育成

ラーニングピラミッドから考える学習効果を上げる社員研修の進め方

社員研修をしたのに思うような変化や結果が感じられないと思ったことはありませんか?

せっかく時間と費用をかけておこなったのですから、良い効果を期待したいのでは?と思います。

学習の定着率を考えるうえで、ラーニングピラミッドの理論を取り入れるとわかりやすいですので、ここではラーニングピラミッド理論と研修への活用方法をご紹介します。

従来の研修を見直し、新たな研修内容を考えてきましょう。

ラーニングピラミッドとは


ラーニングピラミッドは『学習の円錐』や『学習ピラミッド』と呼ばれる学習モデルです。

アメリカ国立訓練研究所(NTL)が学習活動の概念として研究をしたもので、人が学ぶ過程を分類しています。

学習には7つの過程があり、ピラミッドの頂点は“講義”その下に“読書”“視聴”が続き、底辺は“教える”です。

頂点の学習方法は受動的で、底辺行くにしたがって能動的になっているのが特徴です。ラーニングピラミッドでは、底辺に近い学習方法が効果の高い方法と考えられています。

項目の横の数字は、定着率を表していますが、この数字に関しては根拠があるデータではないとの説もありますので、参考程度にしてください。

講義(5%)

学校の授業を想像するとわかりやすいですね。興味のある教科は聴く姿勢を持っているので頭に残りますが、苦手な教科やそれほど興味のない教科の内容は理解しにくかったのではないでしょうか。

講演形式の研修は、よほど内容に興味があるか、講師の方の話し方が上手でない限り定着する確率はたった5%です。

読書(10%)

本から学ぶというのは、話を聞くだけよりも学習効果は高いのですが、こちらも興味のある内容でなければ学習効果はそれほど高くありません。

マニュアルや資料を渡して、「読んで覚えて」というのは、有効ではないといえます。

視聴(20%)

テレビ、動画、ラジオなど、画像や音を伴った学習方法は、耳だけの学習方法よりも効果が高いとされています。

社員研修で使われているeラーニングはこの方法になります。

インパクトのある画像や音声を使うことで、視聴覚からの刺激が脳に行き、記憶に残るとラーニングピラミッドでは理論付けています。

デモンストレーション(30%)

誰かが実践しているのを見るのが、このデモンストレーションになります。

工場見学のように、実際に見に行くのも良いですし、動画等を使って仕事風景や作業工程を見るのも効果的です。

言葉で聞くだけよりも、自分がやっているイメージを持ちやすくなります。

グループ討論(50%)

グループに分かれてのディスカッションや研修参加者全員での意見交換、ディベートがこの方法になります。

自分の意見をその場でまとめて発表する時には、考えを整理し理論的に話すことが必要ですので、講義や読書と違い能動的な学習方法になります。

体験(75%)

自ら体験して学ぶ方法で、社員研修で良く使われるOJTがこれになります。

理論を理解していても、実際にできるとは限りません。経験し、何度も練習することで自分のものとして活用できるようになります。

体験して覚えたことは忘れにくいですので、習得した知識や技術は少し離れたとしても使う時にすぐに思い出すことができます。

教える(90%)

定着率90%と言われているのが、教えることです。

OJTでの指導役もそうですし、論文や研究発表などもここに含まれます。

自分が学んだ知識や経験を他の人に伝えることは、自分の振り返りにもなりますし、あいまいだった部分はしっかりと調べなおす必要があります。

この振り返りや調べなおし、情報の整理、わかりやすく伝えるための表現などを考えることが、高い効果を生み出すのです。

効果を上げる社員研修3つのポイント


ラーニングピラミッドの理論を踏まえて、どのように社員研修を計画すると効果が高まるのか、3つのポイントでまとめました。

参加者自身の自発的な行動を促すことができる実践的な内容がカギになります。

受講者主体の研修

講師が一方的に話をする講義形式の研修ではなく、受講参加型の研修にすることで、学習効果が上がります。

教育界で注目を浴びたアクティブラーニングが良い例で、現在はいかに能動的な研修ができるかがポイントになります。

研修ではグループワークやロールプレイングを取り入れる、事前に課題を出し研修内で発表をしてもらうなどが有効な方法です。

また若い世代の研修では、SNSを活用した研修も興味を持ってもらいやすくなります。

研修テーマ、学習内容を社員からリサーチして決めると、目的意識と問題意識を持って参加できますので、研修方式の見直しとともに改善すると、従来の研修とはまったく違う効果が現れます。

即実践

研修を受けた後からすぐに実践できるよう、参加者が自分事としてイメージできるような内容にします。

新入社員向けや新しい技術導入時の研修などでは、業務内容や機械の使い方などのDVDを見てもらい、その後実際に体験してもらうと理解が深まります。

研修の最後に、学習した内容を踏まえて今後の目標を個々で立ててもらい、定期的に目標達成状況を報告してもらうのも効果的です。

目標をどのようにクリアしていくか、その行動を決めるのは自分自身なので、能動的なアクションが必要になります。

社員同士で教え合う

学習定着率を上げるには、インプットよりもアウトプットのほうが大切です。

研修を受けて終わりではなく、お互いに教え合う、報告し合うことで個人の意識が変わり、自然と組織に学んだことが根付いていきます。

教えることに苦手意識を持つ人も多くいますが、何度も繰り返すことで訓練されます。小さな報告会を開催したり、朝礼などで人前で話す時間を作るようにしてください。

効果的な研修方法とは?どの形態を選択すれば効果が上がるのか研修方法にはそれぞれメリットとデメリットがあり、向いている業種、向いていない業種などがあります。集合研修にするのか、eラーニングで個人で学んでもらうのか、 実践で覚えてもらうのか、社外の研修機会を設けるのか?本記事では、社員研修で良く使われるOJTとOff-JTのメリットとデメリット、効果の高い研修にするポイントをご紹介しています。...

学習過程を上手く組み合わせて効果を上げる

ラーニングピラミッドの理論を参考に研修を構築すると、学習効果を上げることができます。

学習過程には7段階あり、定着率に差はありますが、どの過程も大切な要素になります。どの方法が良くてどの方法が悪いのではありません。

講義を聞くことも、本を読んで学ぶことも必要で、得た情報を自ら体験し習得するとしっかりとした知識になります。

そして、他者に知識を伝えることでより深い理解となることを意識して研修を考えます。

研修担当者だけで研修テーマとカリキュラムを考え開催するのは、とても難しいと感じるかもしれません。

研修のプロである研修企画会社に任せることで、効果の高い研修を提案企画をしてくれますので、活用してみてください。

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