必要とされるビジネススキルは数多くありますが、最近注目されているのがロジカルシンキングです。
私たちビジネスパーソンは、相手の求めていることを理解し即座に行動に移さなければならないことが多くあり、顧客への対応、会社への連絡や相談は的確さとスピード感が必要です。
ここではビジネスを合理的にスムーズに進めるために必要な思考力と行動力を養うロジカルシンキング研修の目的やメリットをわかりやすく解説しています。
目次
ビジネスパーソンが感じている課題
仕事をしていく中で、多くの悩みや課題を持っていると思います。特に解決したい課題として次の3つが挙げられます。
意図が理解できない
顧客、取引先、先輩、上司などとの会話の中で、相手が言っていることが理解できず困ったという経験をした人は少なくありません。
わかったつもりで話を進めたが、話が噛み合わない
他の人がわかっていることも自分だけわからないことがある
など、わからない状態で仕事を進めても良い結果にはなりません。しかし、叱られるのが嫌でわかったふりをしているという人もいます。
意見が伝わらない
「何を言いたいのかわからない」「もう少し簡潔に言ってください」などと言われる、「もう少し整理してから話をして欲しい」と要望された経験はありませんか。
緊張したり突然意見を求められると、頭が真っ白になり言いたいことが言えない、何を言って良いのかわからない状態になります。
どんなに良い意見や提案を持っていても、伝わらないのはもったいないことですよね。
解決策が見つけられない
現状を把握できているのに、何をどうしたら良いか具体的な行動がわからないということも出てくると思います。
分析は得意でもそこで終わってしまっては、解決には向かいません。ビジネスでは経過も結果も大切です。行動なくして信頼は得られません。

ロジカルシンキング研修の目的
研修は人材育成のためにおこなわれますが、ロジカルシンキング研修の目的は主に2つあります。
洞察力を身につける
ビジネスでは目の前で起こっていることの本質を理解する力が必要です。
言葉や態度をそのまま受け入れるのではなく、その奥にある本当のニーズや思いを汲み取ることで本物のサービス提供が可能になります。
自分で考え行動できる人材を育てる
企業としては指示待ち族の社員はいらないと思うのが正直なところで、報告や相談をしながら自分で考え行動できる人材を求めています。
ロジカルシンキング研修では、思考の整理の仕方、分析方法、それらから考えられる行動のパターンなどを学び実践できる人材を育成します。
ロジカルシンキング研修のメリット
では、ロジカルシンキング研修を受けることで得られるメリットとは?個人だけではなく企業全体としても大きなメリットがあります。
相手の求めていることが理解できるようになる
営業や会議の場で、相手の言っていること、求めていることを正しく理解できるようになります。
相手の意図がわかると提案もしやすく、話し合いや意見交換をしながら最適な結論を導くことができます。
コミュニケーションが円滑になり、良い人間関係の構築にも役立ちます。
自分の言いたいことが伝わる
相手だけではなく自分の思考の整理もできるようになり、言いたいことをわかりやすく伝えることが可能になります。
特に会議や営業の場では端的に意見を伝えたり、提案をすることが求められますので、そのような時にも焦らず対応することができます。
信頼感が増す
ロジカルシンキングが身につくと人間関係が良くなるため、社員全員でスキルアップをすることで、企業全体の信頼性が上がります。
誰と話をしてもすぐに理解してもらえる、適切な言葉が返ってくるというのは、安心感にもつながります。
ロジカルシンキング研修の対象者
ロジカルシンキングは誰が持っていても良いスキルですが、新入社員、営業職、管理職には特に役立ちます。
新入社員に役立つロジカルシンキング
早い段階でロジカルシンキングを身につけると、おこなっている業務の本質や自分の役割を理解しやすくなります。仕事に対するモチベーションが上がったり、目的意識を持って取り組むことが自然とできるようになります。
自発性を育むこともでき、自ら仕事を作り出す人材へと成長します。
営業で役立つロジカルシンキング
営業ではスピード感と判断力が大切です。
相手のペースに合わせることも必要ですが、ここぞという時は個人の判断で決断することもあります。その時に相手の現状や求めていることを汲み取り、可能な範囲を見極め結論を出せるようになると契約につながります。
管理職に役立つロジカルシンキング
部下の育成にロジカルシンキングはとても有効的です。
部下からの相談、会社からの要望を擦り合わせ、今できる最善の策を考え決断することが求められる立場だからこそ、論理的な思考が必要とされます。
管理職候補者や新人管理職には参加するように積極的に働きかけましょう。
ロジカルシンキング研修に必要な2つの柱
ロジカルシンキング研修をおこなう時、2つの側面からアプローチすることが大切です。社内研修でも公開セミナー参加でもこの2つが揃っているかをチェックしましょう。
理論を学ぶ
ロジカルシンキングの基本知識や考え方をしっかり理解する必要があります。
ロジカルシンキングを使って達成すべき方向性を明確にすると同時に、自分の思考の癖や知識の偏りなどを知り、企業全体のルールなどの見直しもおこないます。
時代の流れは速く、今までのやり方や考え方が通用しないことが出てきます。どのような場面でも対応できる思考の柔軟性を養うためにも、最新の理論を知っておく必要があります。
理論を学ぶのは対面の講座はもちろんですが、eラーニングなどのオンラインでも可能です。
実践形式で体験する
ロジカルシンキングは理論を知っているだけでは活用しにくいため、必ず実践トレーニングが必要です。
グループディスカッションで意見を出し合う、事例検討をする、デモンストレーションをすることで、自信を持って現場で実践に移せます。
必要に応じて講師を招くことも必要ですし、社内でもフォローアップ研修などを開催し繰り返し実践練習をするようにしましょう。
ロジカルシンキングは短時間でマスターするのは簡単ではありません。集合研修だけではなくOJTなどで取り入れるのも効果的です。
論理的思考で冷静かつ柔軟なビジネスを
ビジネスでは心を大切にしつつ、感情に流されない冷静な思考と判断が大事になってきます。
ロジカルシンキングが身についていると、その場に応じた対応や行動ができるようになります。
個人だけではなく、企業全体の信頼と安心感につながる、論理的な思考ができるような社員の育成をおこなっていきましょう。