仕事がはかどらず悩む女性

仕事中なのに、ついつい別のことを考えたり、他のことが気になったりして、仕事の手が止まってしまうことがあると思います。

仕事に集中できないと

  • ミスを起こしてしまう
  • 仕事がはかどらず残業になってしまう
  • 仕事への意欲が減退する

などの悪影響が出てきます。

そこで今回は、集中できない時に気持ちを切り替えて、効率よく仕事をするためにお勧めの方法をご紹介します。

仕事に集中できないのは、避けられない

私たちはしばしば「なぜこんなに簡単に気が散るのか?」と、悩むことがあります。しかし、私たちの脳は、根本的に長時間の一点集中に適していないのです。脳科学の観点からは、人間の集中力には自然な限界があり、それを理解することが集中力の理解への第一歩です。

人間の脳は進化の過程で、本能的な衝動を処理する辺縁系と複雑な思考を司る前頭前皮質に分化しました。これらのエリアは、日々私たちの行動と意思決定のバランスをとるために相互作用しています。当然、生存に直結するタスクには本能が集中力を向けますが、理性がそれを超えて行動を調整する場合もあります。

集中力の限界を示す「15・45・90分の法則」は、集中の周期を設定するうえでの指標となり得ます。最適なパフォーマンスを得るには、これらの時間ブロックを活用し、短い休憩を挟むことで、脳に息抜きを提供することが有効です。

重要なのは、人間の脳の働きを理解することです。そして、科学的に裏付けられた集中力の管理方法を取り入れることで、日常の生産性を高めることができます。

気分転換や休息の取り方、仕事の環境を整えることが、持続可能な集中力を支える鍵です。

集中できない人とできる人の違い

集中力には個人差があります。雑談から切り替えて即座に業務に没頭する人がいる一方で、雑談の余韻からなかなか脱却できずに仕事に戻るのに苦労する人もいます。では、集中できる人とそうでない人の間には一体どんな差があるのでしょうか。

集中力を保つことに長けた人々は、やるべき事柄を明確に把握し、その実行において効率的な時間管理を行っています。彼らはその日のタスクをはっきりと定め、明確な目標を持って行動しています。例えば、「午前中にこれを終わらせる」「何時までにあのタスクを完了する」「今日はこれらの項目を終える」といった具体的な計画を立て、1日を構築しています。

集中に苦労する人々は、その日の予定を不確かなものとして扱いがちで、ぼんやりとした時間の使い方をしてしまうことが多いです。このような不明瞭なスケジューリングは時間の無駄遣いにつながり、結果として疲労が蓄積し、集中力をさらに削ぎます。

集中力を維持できる人は効果的な気分転換のテクニックを心得ており、ストレス管理やリラクゼーションにも長けています。彼らは自身にとって最適なリフレッシュ方法を熟知しているため、これが集中力の持続に寄与しています。

逆に集中力が続かない人は、効果的な気分転換を行うことが苦手であり、一度落ち込んだ気持ちをリセットするのが難しいために、作業効率が著しく低下する傾向があります。

結局のところ、集中できる人とそうでない人の大きな違いは、時間をどのように管理し、休憩をどのように取るかにあります。効果的な時間配分と適切なリフレッシュの方法が、良好な集中力の秘訣と言えるでしょう。

集中できる人 集中できない人
タスクが明確で整理されている スケジュールが曖昧でタスクが不明瞭
効率的な時間管理を行っている 漠然とした時間の使い方をしている
1日のスケジュールを計画的に立てる 時間が過ぎるのをただ眺めてしまう
適切な気分転換を行い、ストレスを管理 気分転換が苦手で、ストレスが蓄積しやすい
自分にとって最適な休憩方法を知っている 効率の悪い休憩が作業効率を下げる

仕事に集中できない原因

仕事中に考え事をしてしまう人

仕事に集中できないと感じている時、必ず原因があります。原因を取り除くことで集中できるようになります。まずは集中できない理由を明確にしましょう。

やることが整理できていない

多くの人は複数の仕事を同時進行していたり、締め切りが決まっていると思います。何をいつまでにするのか、どの部分で上司に報告をするのかなど、細かなスケジュールができていないと集中できません。

ひとつやっているうちに、他の仕事が気になってしまい手を付ける。そしてまた他のことが気になりやり始めるというように、すべてが中途半端になってしまいます

集中できる環境になっていない

デスク周りが散らかっている、同僚の声が大きくて気になる、室内が熱すぎる、寒すぎるなど、集中できない環境になっている場合も多いですね。

最近ではテレワークになり、慣れない環境で仕事をしなければならず、仕事に集中しにくいと感じている人も増えています。

睡眠の乱れ

生活習慣が乱れていると集中力が下がります。特に睡眠不足による影響は大きく、忙しい現代人の多くが慢性的な寝不足とも言われています。

短時間の睡眠でも質が良く疲れが残っていなければ良いのですが、朝起きて疲れが取れていないと感じる時は要注意です。

心配事や悩みがある

悩みを抱えている時は集中しにくくなります。

仕事でのプレッシャーや不安、職場の人間関係、仕事の量など、働く人の悩みは尽きません。

仕事以外でも家族関係や恋愛、趣味等で困りごとや解決しなければいけないことがあると、そちらに意識が行ってしまい、仕事に集中できなくなります。

仕事に集中するための7つの意識

仕事の合間にストレッチをする女性

仕事に集中するために必要なことは7つです。これらを実践することで面白いくらいに集中力が高まります。

長時間集中しようとしない

人間の集中力は長く続きません。就業時間の8時間ずっと集中するのは無理です。

深く集中する限界は15分と言われています。集中力が保てるのは45分で、最大90分です。これ以上の時間集中するのは難しく、続けたとしても効率は下がります。

まずは15分集中するところから始めてみましょう。タイマーをかけて15分の時間感覚を確かめながら、時間内でできる仕事量の目安を決めると良いですね。

15分集中したら1分くらい休憩して、また15分集中する。このサイクルを繰り返すのが効果的です。

ひとつずつ取り組む

あれもこれもやらなきゃ!と思うと、意識が分散します。

ひとつずつ取り組むことで集中力が持続します。そのためには仕事の優先順位を考え、自分なりの締め切りを決めます。

まだ時間がるから大丈夫と思うと、いつまでも終わりませんし、集中できません。

時間割を決めるようにやるべきことを整理すると良いでしょう。

仕事中もストレッチ

昼休みや休憩時間に軽く体を動かすことで、脳と筋肉がリラックスし集中力が高まります

座ったままできるストレッチをするのもお勧めです。伸びをする、首や肩を回す、足を伸ばす程度でも効果があります。

自分の集中のパターンを知る

集中しやすい環境は人により違いがります。

静かな環境でなければ集中できない人、小さめの音楽がかかっていると集中できる人、机の上に資料がすべてあると集中できる人など、自分の集中力が高まるパターンを知って、環境作りをすると良いですね

仕事の意味を考える

不得意な仕事はどんなに環境を整えたり、体調が良くても集中できません。

そのような時は、仕事の先にあるものに意識を向けましょう。何のためにこの仕事をしているのかを考えます。

資料を作るのが苦手で集中できない、でもこの資料を作るとクライアントさんに良いプレゼンができるという場合は、資料を作ることを考えるのではなく、良いプレゼンをしている自分を想像します

そうすることでやる気が起き、集中できるようになります。

生活習慣の改善

特に睡眠のサイクルを整えるようにします。

休みの日も仕事と同じ時間に起きる、寝るギリギリまでスマホを見ない、夕食や入浴は早めに済ませるなどを実践しましょう。

可能であればお昼休みに15分ほど目を閉じる時間を作ると、脳がリラックスし午後から集中力が高まります。

集中スイッチを作る

スポーツ選手は試合で集中して良いパフォーマンスができるように、ルーティンを作っています。

朝起きてすること、試合前にすることを決め、必ずその通りに動くことで集中力が高まるのです。

同じように仕事に集中する自分なりのスイッチを作るのも効果的です。

胸を軽くたたく、ガッツポーズをする、目を閉じて深呼吸を3回する、心の中で「よし!」と気合を入れるなど、どんなことでも良いので、集中したい時のポーズを決めます。

毎回決めたポーズをしてから仕事をするようにすると、集中できるようになります。

おすすめのタイムマネジメント研修

タイムマネジメント研修

働き方改革が推進されて、時間の使い方を見直す良い機会となっています。仕事量は減らないのに、業務時間が減っている現状で、どう時間を使いこなすかとい課題に頭を抱えているビジネスマンが多いです。タイムマネジメントの重要性を理解し、企業単位で取り組みを強化しましょう。


集中力は仕事の質を上げる

積極的に意見交換する活気ある会議
仕事に集中できない原因の解説と、仕事に集中するための7つの方法を紹介しました。

  • 集中できる時間は最大90分
  • できれば15分ごとに休憩をする

このように、”短時間での集中で良い”と思えると少し気持ちが楽になりませんか?長時間の集中は必要ありませんので、短時間で質の良い仕事をすることを意識しましょう。

だらだらと時間だけが過ぎていく仕事の仕方はもう終わりです。

明日からこの記事で紹介した7つの方法を試して、効率のよく仕事をすすめてみてください。

おすすめの記事